現代の乗り物のなかで最もシンプルで、かつ最も身近な乗り物と言えば自転車だ。しかしその歴史は意外と新しい。ルーツは今から200年ほど前にさかのぼる。
二輪車の発明
1817年、ドイツ人のカール・フォン・ドライス男爵によって発明された足蹴り式の2輪車が、自転車の祖先と言われている。「ドライジーネ」と呼ばれるものだ。
(ドライジーネ)
ドライジーネの速度は時速15kmほどとの記録が残っているが、その推力を直接地面を足蹴りすることで得ている点に着目すると自転車より、むしろキックボードやスケートボードに近いものだったと言えるかもしれない。
ペダルの発明とベロシペードの流行
最初にペダル式自転車が登場したのは1839年のことだ。これはスコットランドの鍛冶屋、カークパトリック・マクミランによって発明された「ベロシペード」だ。
(ベロシペード)
ベロシペードは現代の三輪車のように、前輪に直接ペダルを取り付けて車輪を回していた。ドライジーネとは違い、地面に足を付けずに進むことができる点がとても画期的であった。
ベロシペードは1860年代になると、ピエール・ミショーという会社によって大量生産され、世の中に多く出回るようになった。
1870年代には、スピードを追求するために前輪を巨大化させた「ペニー・ファージング型自転車」が発明され、レースが盛んに開かれるなど、競技用として非常に高い人気を得た。
(ペニー・ファージング型自転車)
*ペニー・ファージリングという名前は直径の大きく異なる前後輪を、イギリスの1ペニー硬貨とファージング(1/4ペニー)硬貨に見立てて名づけられた。
しかし、このタイプのベロシペードは極端に重心位置が高いため安定性が悪く、足も地面にまったく届かないため落下事故も多く、実用的なものとして日常用に広がることはなかった。
なお、ベロシペードとはラテン語で“早足”という意味で、現在でもフランスでは自転車は“ベロ”と呼ばれている。
チェーンの発明
1879年には英国人のヘンリー・ジョン・ローソンが、後輪をチェーンによって駆動する方式のものを発明した。これはサドルの高さが低いため重心が低く、乗員の足が容易に地面に届いた。ビシクレット(Bicyclette)と名付けられ、これが英語の Bicycle の元となった。仕組みも現在の自転車とほぼ変わらない、まさに現在の自転車の原型と言えるものだ。
(ビシクレット)
その後、前後の車輪の大きさが近い大きさになったり、空気の入ったゴムタイヤが実用化するなど改良が重ねられた。先述のペニー・ファージリング型自転車を安全性、スピード、走行性能すべてにおいて上回っていたため、瞬く間にとってかわることとなった。
今日、自転車は日常用から競技用、配達用、旅用のランドナーなど用途によって形態も多岐にわたり、1年間に1億台以上か製造されるなど、世界中で愛される乗り物となっている。
二輪車の発明
1817年、ドイツ人のカール・フォン・ドライス男爵によって発明された足蹴り式の2輪車が、自転車の祖先と言われている。「ドライジーネ」と呼ばれるものだ。
(ドライジーネ)
ドライジーネの速度は時速15kmほどとの記録が残っているが、その推力を直接地面を足蹴りすることで得ている点に着目すると自転車より、むしろキックボードやスケートボードに近いものだったと言えるかもしれない。
ペダルの発明とベロシペードの流行
最初にペダル式自転車が登場したのは1839年のことだ。これはスコットランドの鍛冶屋、カークパトリック・マクミランによって発明された「ベロシペード」だ。
(ベロシペード)
ベロシペードは現代の三輪車のように、前輪に直接ペダルを取り付けて車輪を回していた。ドライジーネとは違い、地面に足を付けずに進むことができる点がとても画期的であった。
ベロシペードは1860年代になると、ピエール・ミショーという会社によって大量生産され、世の中に多く出回るようになった。
1870年代には、スピードを追求するために前輪を巨大化させた「ペニー・ファージング型自転車」が発明され、レースが盛んに開かれるなど、競技用として非常に高い人気を得た。
(ペニー・ファージング型自転車)
*ペニー・ファージリングという名前は直径の大きく異なる前後輪を、イギリスの1ペニー硬貨とファージング(1/4ペニー)硬貨に見立てて名づけられた。
しかし、このタイプのベロシペードは極端に重心位置が高いため安定性が悪く、足も地面にまったく届かないため落下事故も多く、実用的なものとして日常用に広がることはなかった。
なお、ベロシペードとはラテン語で“早足”という意味で、現在でもフランスでは自転車は“ベロ”と呼ばれている。
チェーンの発明
1879年には英国人のヘンリー・ジョン・ローソンが、後輪をチェーンによって駆動する方式のものを発明した。これはサドルの高さが低いため重心が低く、乗員の足が容易に地面に届いた。ビシクレット(Bicyclette)と名付けられ、これが英語の Bicycle の元となった。仕組みも現在の自転車とほぼ変わらない、まさに現在の自転車の原型と言えるものだ。
(ビシクレット)
その後、前後の車輪の大きさが近い大きさになったり、空気の入ったゴムタイヤが実用化するなど改良が重ねられた。先述のペニー・ファージリング型自転車を安全性、スピード、走行性能すべてにおいて上回っていたため、瞬く間にとってかわることとなった。
今日、自転車は日常用から競技用、配達用、旅用のランドナーなど用途によって形態も多岐にわたり、1年間に1億台以上か製造されるなど、世界中で愛される乗り物となっている。